このお話は
【1/3】娘『おねぇちゃんはおかあさんじゃないの?』幼馴染『違うよ、娘ちゃんのママはお空に行ったんだよ。』娘『ママとお母さんは違うんじゃないの?』幼馴染『』→
の続きです。

185: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:42:02 ID:n4c
昨日書くとか言ってたのにごめん、書きます

186: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:42:29 ID:b6s
ゆっくりでええよん







187: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:46:59 ID:n4c
嫁と付き合い始めてからしばらくたったある日、嫁と近くのショッピングセンターに遊びに行ってたところをうちの母ちゃんに見つかってしまった
「おいおい、その可愛いおねぇちゃんは彼女かい?」とかウキウキな感じで話しかけてくる母ちゃん、絶望感に打ちひしがれる俺
そんな俺の様子を知ってか知らずか
「はい!お付き合いさせていただいております!」なんて元気よく挨拶する嫁
母ちゃんが考えた我が家の家訓はいつも元気に挨拶するべしだったので、母ちゃん的には嫁さんをすぐ気にいったみたいだった
その流れで三人で飯食う羽目になり、挙句そのままうちに来ることにまでなった

188: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:48:10 ID:n4c
三人で家に帰れば何も知らないパ/ン/ツ一丁の親父がリビングに
親父完全にキョトン顏
母ちゃんが「ほら、うちの若様が彼女連れてきたよ!」なんていったら大慌てで退場、お気に入りのワイシャツ来てから再登場した

189: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:49:26 ID:n4c
四人の会話はいたって普通、母ちゃんはなんか嫁さんにいろいろ質問してた、親父は若い女の子と喋る機会が無いのか妙にデレデレしてた
結局夕飯も食べて行ったんだがみんなで楽しく過ごした
嫁さんは一人暮らしだからこういう家族の感じが嬉しいって言ってた

190: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:50:07 ID:n4c
うちは子供が俺だけなんだが、本当だったら俺の下に妹がいるはずだった
生まれてすぐタヒんでしまったんだけど、そういう経緯もあって両親共嫁さんが娘の様に思えて嬉しかったんだと思う、実際結婚してからうちの両親は嫁さんを本当の子供の様に接していたし

191: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:51:55 ID:n4c
それからまたしばらく経ったある日、急に幼馴染みからメールが来た
「なにしてんのさ」みたいな
「彼女と飯食ってるよ」って返信したら、
「ほう、幼馴染みとしてあんたの嫁さんを見定めてやろう、どこでご飯食べてんだ」なんて返信がすぐさまきたから俺は頭を抱えてしまった

192: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:53:05 ID:n4c
嫁さんはほんわか系、幼馴染みはドSの一匹狼、こんな二人がはたして合うんだろうかと
結局嫁さんも「幼馴染みちゃんの話聞いてたからね会ってみたい!」というので不安を抱えつつ場所を変え三人で飲むことになった

193: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:53:43 ID:n4c
結論から言うとこの2人めちゃめちゃウマが合った、というか途中から女子会に俺が参加してるみたいな構図になってた、幼馴染みが自分から人に連絡先聞くなんて本当に無いことだから驚いたのを覚えてる

「もしこいつに酷いことされたらすぐに連絡して、石でなぐってやるから」という言葉も強烈だったので覚えてる
子供の頃、喧嘩した時公園の石で思いっきりなぐられた過去があったからだと思う
その他にも顔面グーパンチとか日常茶飯事だったし

194: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:54:13 ID:n4c
ちなみに中学の時、幼馴染みをいじめてたグループに話したのはこの話
そりゃ電話で慌てて謝るわな

195: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:54:21 ID:pCC
幼馴染さんは彼氏いたの?

196: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:54:59 ID:n4c
>>195
ちょいちょい出来てたみたいだけど、長続きした事は無いみたい

197: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:55:30 ID:n4c
付き合ってから半年ぐらい過ぎると、嫁さんが一人暮らしということにかこつけて嫁さんちに入り浸るようになった、一緒にご飯食べてまぁやる事やって寝るという感じ
ある日の朝いつも通りにお互いシタギ姿で寝てたら、ふいに家のドアが開いて直後に怒鳴り声が聞こえた
嫁さんのお姉さんだった
どうやらたまたま近くを寄ったので連絡なしで来たらしい
シタギ姿で正座してお姉さんに怒られる2人、服を着たかったけどそんなこと言える雰囲気じゃなかった

198: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:56:27 ID:n4c
お説教がひと段落するとふいにお姉さんにこんなことを聞かれた
「それで、君はこの子との事をどこまで考えてくれてるわけ?」

199: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:58:40 ID:n4c
唐突だったけど別にこの場を誤魔化すためじゃなく、結婚したいですって言った
たぶん声は上ずってた
嫁さんはシタギ姿のまま俺に飛びついた
それを見たお姉さんは服を着ることを許してくれた

201: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:59:25 ID:n4c
楽しかった大学生活はあっという間に過ぎた、俺は普通の会社の営業に、嫁さんは保険会社の営業になった
俺の方はまぁそこまできつい仕事じゃなかったんだが、嫁さんはかなり辛そうだった
チャームポイントのほっぺはもうこけてしまいそうだったし、2人で会っていると無理に笑顔を見せているのがすぐにわかった

202: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)21:59:54 ID:u0g
保険会社はあかん

203: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:00:16 ID:n4c
俺は考えた、こんな辛い顔をさせるくらいならいっそ結婚してしまえば良いんじゃないかと、もともと結婚願望強かったし、何より嫁のこと愛してたし
お互いが社会人になって一年が経った時、俺は嫁さんにプロポーズをした
俺の奥さんに再就職しない?って今考えてもダサいけど
嫁さんはまた満面の笑みで応えてくれた

205: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:02:35 ID:n4c
それから可愛い可愛い娘ができた、生活はきゅうきゅうだったけど本当に幸せな時間だった
休みになると家族で出かけてたくさんの写真を撮った
娘の寝顔が可愛くて仕事疲れも吹っ飛んだ
こんな感じがずっと続くのが人にとって一番の幸せなんだと思った
嫁と娘のためならどんな事だって乗り切って頑張れる気がした

204: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:02:35 ID:BYh
書き溜めてるのを貼り付けてるのか?
やたら早いが

206: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:03:09 ID:n4c
>>204
昨日書き溜めた、はろうとしてる間に寝ちゃったけど

207: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:03:34 ID:BYh
なんか創作っぽい

って俺が言ったら座をしらけさせるかな?

208: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:04:13 ID:u0g
>>207
そんなことないけど空気は読め

209: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:04:55 ID:n4c
>>207
まぁ創作と思われても構わんよ

210: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:05:12 ID:n4c
娘が生まれてしばらくして俺の娘誕生祝いという程で中学の同窓会が開かれた、もちろん幼馴染みも出席した
幼馴染みは一定の酒量を越えると厄介さんになる体質だった
怒→笑→怒→泣 みたいな感じで俺を含め周囲に絡みまくってた
相当酔ってたので、帰りは俺が送る事になった
この辺の記憶が曖昧なんだが何故か俺の家に幼馴染みが来ることになり、それを嫁に電話で伝えるとえらく喜んでいた

211: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:06:42 ID:n4c
家に着くなり泥酔状態で嫁と喋る幼馴染み、嫁さんも楽しそうだった
一時間ぐらい経った時嫁さんが不意に変なことを言った
「幼馴染みちゃんって本当にいい子だね、俺君をこれからもよろしくね」
なんの脈絡もなく急に出た言葉だった
その時はからかわれてるんだと思って幼馴染みと二人揃って「勘弁してくれ、気持ち悪い」だなんて返した

212: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:08:42 ID:n4c
それから数ヶ月後、俺が出張で一週間程家をあけることになった
せっかくだし実家に帰ったらと嫁に言うと少し悩んだ後、それじゃあ行ってこようかなと娘を連れて田舎に戻る事に

213: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:09:58 ID:n4c
出張4日目の夕方、宿泊先のビシネスホテルに戻っていた俺に嫁の母親から電話があった
嫁がタヒんだと

215: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:14:42 ID:pCC
最悪のタイミングだな

216: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:15:07 ID:jfh
唐突だなおい
何の兆候もなしとか

217: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:16:56 ID:n4c
その日、嫁さんと嫁さんのお母さん、おばあちゃん、娘の四人で少し離れたデパートに買い物に行く予定だった
でも朝、急に嫁さんが体調よくないから三人で行って来てと言ったらしい
嫁さんのお母さんはそれなら今日は行くのやめにしようと言ったみたいだが、家で一人で寝てれば大丈夫だから三人で楽しんできてと心配するお母さんを送り出したっていうことだった

218: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:17:14 ID:n4c
嫁さんの父親が若くして亡くなったのは心臓の病だったらしい、嫁さんも子供の頃からあまり心臓が強い方ではなく、出産の時もその辺が心配だったがなんとかその時は安産だったし母子ともに健康だった

219: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:17:33 ID:n4c
嫁さん、実家のソファーで寝ているようにタヒんでたらしい
三人が帰った時にはもう遅かった

220: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:20:07 ID:n4c
電話を切ってから通夜まで、あっという間に流れていった
どこか現実味がなくて信じられない気持ち、薄情かもしれないけど嫁さんの顔を見ても呆然とするだけだった
通夜と葬式は嫁さんの実家の方でする事になった、うちの家族と話を聞いた幼馴染みが飛んできてくれた

221: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:22:47 ID:n4c
通夜の前まで娘は何も分からずにいつも通りにしていたのだが、子供でもその場の雰囲気の異様さに気づくのか途中から大泣きしてしまった
嫁さんのお母さんやうちの母ちゃんや俺がなんとか泣き止まそうとするんだが泣き止まない
いつもなら泣き疲れると眠るんだけどこの日に限っては本当にずっと泣き続けた
そんな娘を見て周りの人も泣いてた







222: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:23:49 ID:BYh
娘はなんて言ってた?

223: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:24:44 ID:n4c
>>222
当時一歳くらいだから、わーわーって感じで泣いてるだけだった

224: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:24:57 ID:n4c
不意に幼馴染みが娘を抱っこした、
優しくあやすって言うよりもぎゅっと抱きしめる感じだった
不思議なことに娘は泣き止みしばらくすると寝てしまった

225: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:27:51 ID:n4c
嫁を送った後、数日を置いてから娘を連れて自宅に戻った
うちの母ちゃんも家に来てくれた
夜になると「あんたも一人で思いたい事もあるでしょう」と娘を実家に連れて行った
一人になって部屋の中を見渡した時、急に涙が出てきた
こらえようとしても止まらなかった
情けないぐらいわんわん泣いた
嫁さんにもう二度と会えない、あの笑顔をもう見れない

226: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:29:44 ID:n4c
半年経った時、嫁さんのお母さんから娘を引き取りたいという話が来たが断った
大変なのはわかっていたが、嫁さんの忘れ形見をちゃんと育てようと改めて決意した
嫁さんのお母さんも、わかってくれた

227: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:35:57 ID:n4c
俺は嫁さんと暮らしていた家を引き払って実家の近くに引っ越した
保育園に預けるくらいならうちで面倒見るといってくれた両親に甘えた形だった

228: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:38:28 ID:n4c
それから2年、うちの母ちゃんがガンになった
治る見込みは充分にあったが、長期の入院、その後も再入院が必要でとても娘を見ていられる状況ではなくなった
今度こそ保育園しかないかと思った時、幼馴染みから電話があった
お母さん大変なんでしょう、うちで娘ちゃんと日中遊んであげるよ、私実家だし在宅の仕事多いからと
有難い話だがいくら何でも悪いと思って何度か断った
でも、うちのお母さんも手伝いたいって言ってるから気にしないでたよんなさいよと言ってくれたのでお世話になることにした

229: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:40:29 ID:KSK
ええ人ばっかりやのぉ

231: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:50:45 ID:n4c
嬉しいことに娘はよく幼馴染みとお母さんに懐いた、2人も娘をとても可愛がってくれた
4歳で幼稚園に短時間でも行くようなると迎えもやってくれた
甘えすぎだとは思ったが本当に助かった
休日ぐらいは父親らしい事してやろうととにかく娘と一緒にいることにしていた、女の子っぽいところに行く時には幼馴染みも付いてきてくれた

232: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:51:17 ID:n4c
また中学の同窓会が開かれる事になった
最初は娘のこともあるし行く気が無かったのだが、どこからか聞きつけた幼馴染みの母ちゃんにたまには飲んできなさいと言われたこともあり出席することにした

233: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:51:38 ID:n4c
みんな知っているだろうけど不思議なぐらい嫁さんの話には触れなかった、気を使ってくれていたんだと思う
なんか変な空気だったけど、その雰囲気をぶち壊すかのように幼馴染みが酔っ払った
周りに絡みまくる絡みまくる
俺もバンバン叩かれまくった
そのうち幼馴染みは酔いつぶれた

235: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:53:03 ID:n4c
その会には中学時代バレーボール部のエースだったイケメン君もいたんだが、彼が俺に突然話しかけてきた
ちょっと酔ってる様子だった
泥酔して寝に入ってる幼馴染みを見ながら彼が語る

「俺が幼馴染みちゃんに振られたこと覚えてるだろ?」

「おう、覚えてるよ」

「あの時は悔しくて言えなかったんだけど、彼女に好きな男がいるって言われたんだよ」

238: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:55:10 ID:n4c
「初耳だね」

「多分それお前だよ」

「まさか、あの頃は殆ど喋らなかったんだぞ」

「いいや、あれは絶対にお前だ」

なにをわけわからないことをと考えていると彼はまた続けた

「この子お前がいないと飲み会誘ってもこないしよ、ごめんな変な話しちゃったかな」

241: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:55:54 ID:n4c
ここまで言うと別の席の女の子に呼ばれたイケメンは俺の横から離れた

飲み会が終わり、泥酔した幼馴染みをおぶりながら幼馴染みの親友と三人での帰り道
親友ちゃんも酔っ払っていたのかいつもより少し饒舌だった
話す内容といえば、中学の頃の話、幼馴染みの話、俺の子供の話ぐらいだったけど
親友ちゃんとの分かれ道、ふと彼女は立ち止まると俺を見て呟いた

「この子不器用なんだよ、わかってると思うけど」

「今は無理かもしれないけど、いつかしっかりと見てあげてね」

不器用だけど優しいやつなのはわかってた

243: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:57:26 ID:n4c
この同窓会の後頃になるとうちの母ちゃんは完全復活していた
娘も見てくれるようになり、幼馴染みの家に娘が行くのはたまのお泊まりとかのみになった

245: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:58:13 ID:n4c
幼馴染みの家でのお泊まりから娘が帰ってきた夜、娘が急に泣き出して止まらなくなる日があった
いつもなら泣き止む手を使ってもなかなか泣き止まない、どうしようかと頭を抱えていた時、幼馴染みからの電話がなった

「娘ちゃん、大丈夫?ちゃんと寝れた?」

「これがずっと泣いちゃって、アンパンマンのDVDも効果なしだよ」

「そっか、私明日休みだし今から行こうか」

「流石に悪いしいいよ」

「いいって、とりあえずすぐ行くね」

246: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:58:22 ID:jfh
この時点で嫁さん亡くなって3年くらい?

247: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:58:58 ID:n4c
>>246
三年ちょっとくらい

248: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)22:59:29 ID:n4c
近所ということもあって2、3分で幼馴染みはやってきた
なんとも複雑なことに幼馴染みがやってきた途端、娘は泣き止んだ
それからすぐに疲れたのかしばらくすると寝てしまった
それを見て早速帰ろうとする幼馴染みになんだか悪い気持ちになって、寝顔見ながら一杯飲んでけよ最高のつまみだぞなんて言って引き止めた、幼馴染みも一杯だけねなんて言って付き合ってくれた

249: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)23:00:33 ID:u0g
結構くるわ、これ

251: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)23:01:30 ID:n4c
「こうやって、嫁さんと娘の寝顔見ながら晩酌したよ」

「そうか、確かに最高のつまみだわ」

「いつもありがとな、助けてくれて」

「良いよ、私娘ちゃん大好きだし食べちゃいたいくらいだし」

いつも通りの軽口の叩き合いだった
でも、俺のひょんな一言で幼馴染みの雰囲気が変わった

252: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)23:02:30 ID:n4c
「娘もすごくお前に懐いてるしな」

「…そうだね」

「どした?」

「懐いてるってさ、なんか他人行儀だよね」

「いや、そんなつもりじゃ」

「親に懐くとか言わないじゃん」

253: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)23:04:21 ID:n4c
「私、娘ちゃん本当に大好きなのよ、本当に本当に」

「自信過剰かもしれないけど娘ちゃんも私のこと好きではいてくれてると思う」

「でもさ、やっぱりふと思うのよ」

「私はこの子のママじゃない、ママにはなれないんだって」

254: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)23:06:48 ID:n4c
そう言うと幼馴染みは下を向いたまま、涙をボロボロ流して肩を揺らし始めた
俺はそんな彼女に何も声をかけることもできず、部屋の中は静まり返っていた

255: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)23:07:03 ID:n4c
不意に幼馴染みが立ち上がった
「わけわかんないよね、ごめん」
そういうと彼女は逃げるように家を出て行った

257: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)23:09:27 ID:n4c
そんなことがあった週の土曜日、珍しく親父からすぐに実家に来いとの電話があった
実家に戻りリビングに入ると親父と母ちゃんが真剣な表情で座っていた
一緒にいた娘はすぐに母ちゃんが別の部屋に連れて行った

「なんだよいきなりどうしたんだよ?」

「お前、幼馴染みちゃんのことどう思ってるんだ?」

「どうって、本当に感謝してるよ」

「付き合ってるのか?」

「まさか、付き合ってないよ」

「そうか、なら結婚する気もないって事だな」

258: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)23:13:39 ID:n4c
そう言い終わると、親父はものすごい形相をして俺の顔面をなぐった
あまりにいきなりすぎて何が何やら訳がわからなかった

「馬鹿野郎」

自慢じゃないが、生まれて初めて親父になぐられた瞬間だった

幼馴染みが泣いたあの日、どうやら親父はたまたま日課のウォーキング中にうちの前を通り、さらにうちから泣きながら出て来る幼馴染みを見たらしかった

259: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)23:14:10 ID:n4c
「あの子には感謝しても感謝しきれない、頭も上がらない。あの子がいなければ娘は本当に寂しい思いをしてたんだぞ」

「わかってるよ」

「わかってない、お前は何にもわかってない」

「じゃあ親父は何がわかってるんだよ!」

真昼間、酒が入ったわけでもないのに大の大人が大声張りあげ合う

「向き合え!娘のためにも嫁ちゃんのためにも、幼馴染みちゃんのためにも、男だろ!」

なぐられた痛みなんか一瞬だった、本当のパンチはこの言葉だった

260: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)23:16:36 ID:n4c
その日の夜、幼馴染みが家にやってきた
この前変な雰囲気で帰ったお詫びだとビ ー ル数本とおつまみを持って

娘は幼馴染みが来たことでテンション最高潮、アンパンマンのチョコレートを貰って興奮の坩堝だった

娘が眠り、幼馴染みと二人での晩酌の時間になった時親父の言葉が頭の中に浮かんだ

「なぁ」

「ん、なに?」

「変なこと言うけどさ」

「もしこの子のママになってくれないかって言ったら」

「うん」

「お前なんて答える」

262: 名無しさん@おーぷん 2016/07/14(木)23:27:15 ID:n4c
情けない話だけどこの時の俺には精一杯の向き合いだった

「それは…無理な話かな」

「娘ちゃんのママは嫁ちゃんだけなんだよ」

「だから私には無理だ」

「私にはできない」

「おう、そうか…変なこと言って悪いな」

「酔ってんじゃないのおじさん、らしくないぞ?」

この会話から、幼馴染みと少しの間距離ができた
お互いに気まずさを持っていたんだろうけど、1日2日では修復できなかった、それでも半月もたつと以前と同じような間柄には戻れていた

続記事(掲載後リンク先へ飛べるようになります。)→23:00
【3/3】娘『おねぇちゃんはおかあさんじゃないの?』幼馴染『違うよ、娘ちゃんのママはお空に行ったんだよ。』娘『ママとお母さんは違うんじゃないの?』幼馴染『』→
の続きです。

引用元: ・昨日、嫁の墓参りに行ってきた






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