このお話は
【1/3】吉原「おまええがあああ、菜美を騙したんだあああ」菜美「逃げて」俺『ケイサツ』吉原「結婚しよう、将来は生活保護もらってお前を幸せにするよ」警官「刃物を捨てなさい」
の続きです。

454: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:52:51 ID:DCddfn6p0
俺は店長に事件の顛末を話して 
菜美の身の安全のために吉村の両親と話したいから 
吉村の実家の住所を教えて欲しいと頼み込んだ。 

店長は、吉村のおかしいところに心当たりがあるらしく 
俺の話をすんなり信じてくれて 
「いやー。予想以上にとんでもねえやつだなw」と笑ってた。 

だが、個人情報の提供については、しばらく考えた後、 
やはりバイトの個人情報を教えることはできないと言った 
俺はしつこく食い下がった。 
店長「うーん。大変なのは分かるけど、 
やっぱり個人情報を教えることはできないよ」 
俺「そこを何とかお願いします。 
今はそんなことを言ってる場合じゃないんです 
全く無関係の罪もない女の子が、はんざいに巻き込まれるかもしれないんですよ」 
などと俺が延々と力説してたら 

店長「話は変わるけどさ、この事務所の書類整理の仕事を頼むよ。 
その棚にある履歴書なんかを、整理してファイリングしておいてくれないかな。 
俺はこれから1時間ぐらい出かけるけど、その間にお願いね」 
と言ってくれた。 
店長に深くお礼を言って、俺は仕事に取り掛かった。 

吉村はバイト仲間内でも屈指の働かないやつで、 
ほとんどバイト収入なんてないくせに、都内一人暮らしだった。 
自宅と実家がすぐ近くであるので、 
菜美のように地理的理由で一人暮らしをしているのではない。 
意外にも、吉原はいいご身分だった。 


455: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:53:24 ID:DCddfn6p0
たぶん、俺が店長に話したからだと思うが
話した後すぐ、吉村はバイトをクビになった。
実際、ほとんど仕事しないし、よく休むし、
バイト仲間からも嫌われてるやつだったので
クビにする理由はいくらでもあった。

俺は、菜美にさっそくgetした吉村の個人情報を伝え
親御さんに話して、
もう近づかないよう吉村の親に警告してもらうことを提案した。

しかし、菜美は複雑な顔をして、親には話したくないと言った。
菜美を大学に通わせるために、菜美のお母さんはかなり無理をしてるようで
毎晩、体力的に限界に近くまで働いているらしい。
疲れてるお母さんに余分な心配掛けたくないと菜美は言った。

菜美からの相談に乗ってるうちに、
俺たちは、次第に事件以外のことも色々と話すようになった。
菜美は母子家庭であまり裕福ではなく
仕送りが少ないために、生活費は自分のバイトで捻出していた。
また卒業のためには奨学金獲得が必須であるため、
大学の勉強で手を抜くわけにもいかず
家に帰ってからも自習をせざるを得ず
このため、普通の大学生のように楽しく遊ぶ時間なんて
ほとんどない生活だった。

東京でなかなか親しい友達ができないのは、
まだ来たばかりという理由以外に、
ほとんど遊ぶ時間がないというのも
関係してるんだろうと思った。
友達の少なさとは裏腹に、菜美はすごくいい子だった。



456: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:53:57 ID:DCddfn6p0
色々話すようになって分かったんだが
菜美は、とても同じ年とは思えないほどすごく大人で、
しっかり芯を持った人だった。
苦労してるだけあって、周りの人にも優しかった。
俺は、急速に菜美に惹かれていった。

バイト先でのヒアリングで吉村が危なすぎるやつだと分かったので、
俺は可能な限り菜美の送り迎えをするようになった。

菜美を自宅まで送った後、
一人で夜道を歩いているとき、目の前に吉村が現れた。

吉村「おまえ、どういうつもりだよ?
俺の女に手出すんじゃねえよ?」

超びびッた。
菜美がおまえを怖がってるとか
おまえから危害を加えられないために送り迎えしてるんだとか
いろいろ説明したけど、全く無駄。
「俺と菜美は心でつながってる」とか「菜美はおまえを迷惑がってる」とか
吉村は根拠のない反論し繰り返した。
もう「菜美と俺は相思相愛」てのを固く信じちゃってて
全く聞く耳持ってくれなかった。



457: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:55:40 ID:DCddfn6p0
話してるうちに
「ころすぞこの野郎!」
と吉村は俺になぐりかかってきた。
でも、俺と吉村では体格も全然違うし
吉村はかなり運動神経が鈍い方だったから、問題なくさばけた。

みぞおちを一発なぐったら、吉村はうずくまって動かなくなった。
うずくまる吉村に俺が、もう一度、
菜美は吉村を怖がってて、出来れば会いたくないと思ってると話したら
「おまえが、おまえがあああ、嘘を吹き込んでるんだろうううう!!!!」
と怒鳴って、その後
「ウウウウウウウウウウウ」とうなった。
うずくまってうなり声を上げる姿は、本当に獣みたいだった。
背筋に冷たいものを感じて、思わず走って逃げてしまった。

安全なところまで逃げてから、すぐ菜美に電話した。
吉村に会って喧嘩になったこと、
何やら物凄い執念だったから、戸締りはしっかりして、
今日はもう家から出ないようにということ
何かあったら、何時でもいいから、すぐに俺に電話するように
ということを言った。



458: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:56:20 ID:DCddfn6p0
菜美からの連絡はその日の夜にあった。
電話ではなくメールだった。

メールには
玄関前で音がしたので、菜美がドアの覗き穴から外を覗いたら
ちょうど吉村もその穴から部屋の中の様子をうかがってる最中で
うっかり目が合ってしまったとのことだった。
すぐ近くにいると思うと怖くて声が出せないから、
電話ではなくメールで連絡したらしい。

俺は、すぐに警察に連絡するように返信したら
警察に電話なんかしたら、通報する声が吉村に聞かれてしまって
それで逆上されて、とんでもないことになるかもしれないって返信が返って来た。

俺は、警察への通報は俺がするということ、
すぐ行くから部屋から出るなということをメールで伝えた。
俺は、昔、野球やってたときに使ってた金属バットをバットケースに入れ
そのまま菜美の家に向かった。

警察は、俺が着くより前に見回りに来てくれたらしいけど
周囲をざっと見て、菜美の部屋のベルを鳴らして
菜美の顔を見て無事を確認したらすぐ帰ってしまったらしい。

その日、俺は菜美の部屋に入れてもらった。
翌日、菜美は朝早くに出発の予定だったので
俺が寝ないで見張ってるから、とりあえず菜美は寝るように言った。



460: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:56:36 ID:AU49Knvd0
支援……( ゚Д゚)


463: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:58:42 ID:DCddfn6p0
その日が、菜美の部屋に入った初めての日だった。
普通なら、俺たちの関係に少しぐらい進展があってもいいんだろうけど
結局、何事もなく終わった。

怯える菜美がなんとか寝付いたのは深夜2時過ぎ。
すやすやと寝る菜美を見てさすがにムラムラしたけど
今襲ったら、それこそ菜美を深く傷つける気がして
最後の一歩は踏み出せなかった。


その3日後ぐらいから、菜美のところにも街金が来るようになった。
そのため、俺と菜美は半同棲のような形になった。

だけど俺は、相変わらず菜美には手を出さなかった。
菜美が風呂上りにパジャマでいたりとか
パジャマのボタンとボタンの隙間からむねが見えそうだったりとか
かなり危ない状況はあった。
だけど俺は、菜美のいないときに狂ったように自己処理して
精を搾り出したりすることで、なんとか理性を保つことができた。

吉村の一件以降、菜美は知らない男に対して強い警戒感を示すようになってた。
これだけ無理して我慢してたのは
このまま俺が襲ったら、菜美の男性恐怖症はさらに酷くなると思ったからだ。


464: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:59:12 ID:DCddfn6p0
俺が菜美の家に通い始めてから1週間ぐらいしたとき
菜美の家に俺の歯ブラシを置いた。

歯を磨いた後、俺の歯ブラシを見ながら
「私たちって、変な関係だよねー
普通、家に男の人の歯ブラシ置くのって、
普通に付き合ってるってだけじゃなくて、
相当深く付き合ってる場合だけだよね?
でも、俺男君の歯ブラシはここにあるのに、
私たち付き合ってもいないんだよ?」
と言った。

返す言葉がなく無言でいる俺に、菜美は言葉を続けた。

菜美「ごめんね。俺男君。
私がもっと魅力的で、変なトラブルに巻き込まれるような女じゃなかったら
俺男君ももう少し楽しかったんだろうね」

空元気に笑う菜美が無性に可愛く見えた。
本当は、この件が全部片付いた後、
俺から菜美に告るはずだった。
だけど俺は予定を繰り上げて、
その日に菜美に告って、その日に菜美を抱いた。

俺としては、菜美を傷つけないために我慢してたのにな。
だけど、俺が菜美を抱かないことが逆に
菜美を傷つけてるとは思わなかった。
女って、難しいな。


465: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:59:32 ID:DCddfn6p0
行為が終わって、俺がすぐに服を着ようとしたら菜美に止められた
菜美「もう少し、このままこうしてよう?」
何も着ていない菜美は、何も着ていない俺に抱きついてきた。
俺「ちょっとだけだぞ。襲撃に備えて服は着ておかなきゃだから」
菜美「もういいよ今日は。
今日だったら、このままシんじゃってもいいや」
俺「何でだよ?今日が俺たちのスタートの日なんだぞ
スタートと直後にゲームオーバーって、ださくない?」
菜美「ああ、そっか。
今日が始まりの日なんだ。
俺「そう。今日がミッション・コンプリートじゃない。今日が始まりだ」
菜美「うん。そだね。これからよろしくね」
そう言いながら菜美は俺にキスをしてきて、二回戦が始まった。



466: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:00:03 ID:DCddfn6p0
菜美の家に来る街金とドア越しに話すのは俺がやった。
警察にも相談したけど、
民事不介入ってことで取り合ってくれなかった。

街金とのやり取りは大体こんな感じ。

街金「山田さん、あなた吉村君の金使っていい思いしたんでしょ?
いい思いしたんだったら、その分のお金は払わないと。
それが世の中ってもんだよ。
世の中なめてると、怪我じゃすまねえよ(ここだけドスの効いた怒鳴り声)」

俺「山田が吉村と付き合った事実はありません」

街金「でも、債務整理の相談したとき乗ってきたんでしょ?
まるで無関係の女が、どうしてそんな相談の場に来るの?
そんなやついねえだろ?」

俺「あれは、大学進学の借金と勘違いしたからです」

街金「吉村君も、山田さんが払うべきだって言ってるよ
一度は、山田さんの涙に騙されて自分が払うっていったんだけどね
やっぱり、山田さん。相当、吉村君のこと泣かせたんだろうね。
最近になって、やっぱり山田さんと二人で払うって言い出しだよ。
まあ、自業自得だと思って、まずはこのドア開けてくれないかなあ」

俺「そもそも二人は付き合ってませんし、ドアは開けることはできません。
お帰りください」

街金「てめえに言ってんじゃねえんだよ(いきなり怒鳴り声)。
俺は山田さんに言ってんだよ。オイコラ。山田さん出せや」



467: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 13:00:49 ID:DCddfn6p0
俺「山田の代わりに僕が伺います」

街金「てめえは日本語わかんねえのか?コラ(怒鳴り声)
早く出せや。いい加減にせんかいコラ」
(ドーンというすごい音。たぶんドア蹴っ飛ばしたんだと思う)

街金が来ると、こういう冷や汗ものの会話が最低20分ぐらい
長いときは2時間以上も続きます。

街金の追い込みはさすがにきつかった。
さすがにもう、嵐が過ぎるのをただ耐えるだけなんて不可能だ。
何とか打開策を見つけなくてはならない。
だが、肝心の吉村とは、まるで話にならない。
それどころか、会えば命の危険さえある。


俺は吉村の実家に行って親と交渉することを考えた。
ゲットした吉村の実家の住所に行き、吉村の両親を訪ねた。
ちょうど両親ともに在宅で、俺は吉村の実家に招き入れれた

家に入った驚いた。
廊下の壁のあちこちが穴だらけだった。
ちょうど、壁パンチをしたような跡がたくさんあった。
リビングに通されたが、リビングの電気の傘も割れたままで交換されていない。
壁も穴だらけだ。



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引用元: ・◇修羅場◇part58


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