625: 名無しさん@おーぷん 20/10/24(土)10:47:22 ID:???
私は生まれた時から心臓が悪くて赤ちゃんの頃に何回か手術してる
その後も体が弱くて病気しがちだったためしょっちゅう入退院を繰り返していた
私には二歳上の兄と十以上離れた弟がいたけど、両親は私の世話と仕事で大変だったみたいでほとんど弟の世話は兄まかせ
今思えば遊びたい盛りに可哀想なんだけど、兄がとても真面目で弟を溺愛してたから当時はその状況に疑問を抱かなかった
むしろ私も弟大好きだったから兄ばかり弟と一緒にいられて羨ましいとすら思ってたくらい


私が中学生の頃、インフルエンザから肺炎まで拗らせて一時的に入院してたある日、トイレに立って病室に戻った時両親が「私子(私)はいつまで手がかかるんだろう」「弟が大きくなるまでの我慢だろ。その為の子なんだからあの子は」と会話しているのを聞いてしまった
そこまで負担をかけてしまっていたのもショックだったけど、可愛い弟を私の世話させる為に生んだという事実に頭が真っ白になった
両親が帰ったあと、私はもう生きてても仕方ないからシのうと決意
でもこのままだと両親が弟を良いように利用しようとするかもしれない、搾取され続けたら可哀想、
いっそ両親もこの手で一緒に……
一晩悩んだ結果、私はお隣のベッドの人が部屋を出ていった時に棚に置いてあったナイフを盗んで枕の下に隠した
今日両親が来たらそれで二人を、と浅はかな計画を経てて心臓をバクバクさせながら待っていた
でもその日お見舞いに来てくれたのは兄と弟だけだった
弟は私のベッドに乗ると興奮気味にチューリップを植えた話なんかをして、それで疲れていたのか電池が切れたように寝てしまい、兄はそれをニコニコと見ていた
「チューリップは私子の好きなピンクだよ。お姉ちゃんに見せたいんだって」兄の他愛のない話に私が泣きそうになっていたら「だからね、変なこと考えちゃ駄目だ」と私の頭を撫でてくれた
多分私があまりに思い詰めた顔をしていたんだと思う
何するかまでは分からなくても、良からぬ事を考えてるって察したんだろうね
兄が弟を抱っこして帰った後、考え直した私はナイフ落ちてましたよと言ってお隣さんに返した

ここからがおかしな話なんだけど、それから一月もしない内に両親がシんでしまった
二人とも仕事で寝不足のまま運転してて事故り、母はその場で呆気なく、父は数日治療の末亡くなった
私は二人を憎むあまり呪いころしてしまったのではと内心パニック
両親が亡くなってから入院するほどの体調不良も減って、親戚が集まる度にはお父さんお母さんが悪いもの持ってってくれたんだねって言われて凄く居心地が悪かった

ただこれはもう十年以上前の事で、実は最近まで両親のことなんて存在すら忘れてた
何故今更思い出したかというと弟が近く幼馴染みの子(以下弟嫁)と結婚する事になり、弟嫁の打ち明け話を聞いたから
もうずっと家族同然の付き合いだったのに急にマリッジブルー気味になった弟嫁
実は彼女は弟を蹴ったり無視するうちの両親が子供心に大嫌いで、いなくなっちゃえば良いのにと思っていたら本当にシんでしまい、それがずっと自分のせいな気がしてならなかったのだとか
その後ろめたさをずっと抱えていたようで、こんな酷い事を思う自分は弟に相応しく無いかもと泣き出してしまった
その場ではそんなの関係無いし弟の事を大事に思ってくれる弟嫁ちゃんが義妹嬉しいよと慰めといた
でも本当はやっぱり両親は色んな人に呪いころされたんだろうなって思ったよ
人を呪わば穴二つと言うから私はろくなシにかたしないかもだけど、せめて弟嫁の悪いものは私が貰っていってあげようと思う



引用元: ・奥様が墓場まで持っていく黒い過去 Part.5


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