867: 名無しさん@おーぷん 2014/12/10(水)17:15:54 ID:???

数年前両親が古くなった実家を売って、近くのマンションに引っ越すことになり、
引っ越しを手伝った(私は結婚してもう家を出てる)。
その際、私は開けた事なかった父母の部屋の天袋の中から、小さな箱を見つけた。

中には封筒が入っていて、それを開けてると、
母が後ろから覗き込んで「あらー見つかった」と言った。
「なにこれ」と封筒を見ると差出人の所には私の名前があった。
「あんたの書いたラブレターじゃないの」と言われ、
・・・あー、そういや書いたわなと記憶がよみがえった。

私が小学校高学年の時、扁桃腺炎をこじらせて入院した際、ある男の子に出会った。
何だったかの難病だとかで、「生まれてこのかた1回しか家に帰ったことのないんだ」と言ってた。
病弱がそうさせるのか、同じ歳なのに大人びていて物静かでいつも微笑んでいて、
線の細い感じの子だった。入院で落ち込んでる私に、何かと話しかけてくれた。話はいつも面白かった。

入院している間に彼とたくさん話したが、入院は半月で終わったため、
家に帰ってから彼を思い出して寂しくなった。
それを母に話すと、母はニヤニヤして便箋をくれた。

「仕事行くついでに病院に寄って届けてきてあげる。手紙書きなさい」と言われ、
書いたのがその手紙だった。

「で、なんでこれがここにあるのさ。届けたって言ったじゃん。
私あの頃いつ返事くるかなって待ってたのに」
と母に言ったら、
「行ったのよ。預かって一週間後くらいかな。そしたらさ、その子、
あんたが退院したすぐ後亡くなったんだって。看護婦さんに聞いたのよ。
でもさーあんたそんなこと言ったらショックじゃない?で、ここにね隠しておいたの。捨てるのもさー」
と言われた。

思わず高齢の母に、「お母さんの馬鹿!!」と怒鳴ってしまった。

まあ引っ越しは無事片付いて、手紙はなんとなくだが持ち帰った。
開けてみると、

『うちは庭に桜の木があります。とても大きいです。メジロがたくさん来ます。燕も来ます。
とてもとても賑やかです。生きてるモノは賑やかです』とか、どうでもいいことが延々書いてあった。

『賑やかなのは楽しいです。○○君にも見せてあげたいです。
元気になって一緒に遊べるのをずっと待ってます』

とも書いてて、私は嘘つきだなーと落ち込んだ。

手紙は結局捨てた。
フィギュアの羽生君を見てると何となくその子を思い出して辛い。



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