
499: 本当にあった怖い名無し[sage] 2014/02/10(月) 04:24:58.95 ID:MYLAUUYV0
私が生まれ育ったのは、四国の片田舎にある築年数3桁の古めかしい家。
昔は地主だったとかで、敷地と家は無駄に広く、3つの池と大きな蔵がある。
そんな古い日本家屋には、怪談話に出てきそうな要素も盛り沢山。
光のあまり差し込まない薄暗い蔵、埃被った桐箪笥や長持などの古民具。
押入れの中にひっそりと積み上げられている掛け軸、日本刀、人形にお面。
月明かりを受けると、ぼんやりと浮かび上がる池の中の鯉や庭木の陰の石灯籠。
ずいぶん昔に火元になったとかで、床・壁・梁に至るまで炭化した真っ黒の部屋。
しかし、私が唯一怖いと思う場所は「陽当たりの良い縁側の、天井の一角」だった。
縁側で寝転んで、何となく天井の一角を見つめた時、視界がどんどん暗転したからだ。
「え?」っと思って我に返ると視界は正常に戻るのだが、再び見つめるとまた暗転。
家の何処を見つめても何ともないのに、そこだけは10秒と見つめることができない。
気味が悪かったが「光か何かの錯覚だ」と子供心を誤魔化し続けた。
昔は地主だったとかで、敷地と家は無駄に広く、3つの池と大きな蔵がある。
そんな古い日本家屋には、怪談話に出てきそうな要素も盛り沢山。
光のあまり差し込まない薄暗い蔵、埃被った桐箪笥や長持などの古民具。
押入れの中にひっそりと積み上げられている掛け軸、日本刀、人形にお面。
月明かりを受けると、ぼんやりと浮かび上がる池の中の鯉や庭木の陰の石灯籠。
ずいぶん昔に火元になったとかで、床・壁・梁に至るまで炭化した真っ黒の部屋。
しかし、私が唯一怖いと思う場所は「陽当たりの良い縁側の、天井の一角」だった。
縁側で寝転んで、何となく天井の一角を見つめた時、視界がどんどん暗転したからだ。
「え?」っと思って我に返ると視界は正常に戻るのだが、再び見つめるとまた暗転。
家の何処を見つめても何ともないのに、そこだけは10秒と見つめることができない。
気味が悪かったが「光か何かの錯覚だ」と子供心を誤魔化し続けた。
500: 本当にあった怖い名無し[sage] 2014/02/10(月) 04:28:12.73 ID:MYLAUUYV0
それから数年の間に、家族が次々と病気で倒れた。
曾祖母は肝硬変と白内障が劇的に悪化、失明した眼球は真っ白になるほど濁っていた。
祖母は細身で1滴の酒も飲まないのに、取っても取っても肝臓に悪性腫瘍ができた。
祖父に至っては、食道に違和感を感じたその段階で末期の癌。間もなく亡くなった。
「確かに皆、いい歳ではあるけど、こうも続くと気味が悪いじゃない?」
迷信を信じないタイプの祖母が、厄落としに拝み屋を呼ぼうと言い始めたのは、祖父の葬儀直後のこと。
両親は「まぁ、心の整理みたいなものだよね」と快く了承した。
私は生意気にも、そういうのはインチキだろうにと内心思っていた。
どこにどう話をつけたら拝み屋を呼べるのか、当時子供だった私には解らない。
何時どうやって手配したかも定かではないけど、後日私の家に拝み屋は来た。
お遍路の衣装である白衣(びゃくえ)・半袈裟に似た装備の中年女性だった。
曾祖母は肝硬変と白内障が劇的に悪化、失明した眼球は真っ白になるほど濁っていた。
祖母は細身で1滴の酒も飲まないのに、取っても取っても肝臓に悪性腫瘍ができた。
祖父に至っては、食道に違和感を感じたその段階で末期の癌。間もなく亡くなった。
「確かに皆、いい歳ではあるけど、こうも続くと気味が悪いじゃない?」
迷信を信じないタイプの祖母が、厄落としに拝み屋を呼ぼうと言い始めたのは、祖父の葬儀直後のこと。
両親は「まぁ、心の整理みたいなものだよね」と快く了承した。
私は生意気にも、そういうのはインチキだろうにと内心思っていた。
どこにどう話をつけたら拝み屋を呼べるのか、当時子供だった私には解らない。
何時どうやって手配したかも定かではないけど、後日私の家に拝み屋は来た。
お遍路の衣装である白衣(びゃくえ)・半袈裟に似た装備の中年女性だった。
501: 本当にあった怖い名無し[sage] 2014/02/10(月) 04:30:20.03 ID:MYLAUUYV0
家を隅から隅までゆっくりと見て回る拝み屋に、祖母と母と私が付いて歩く。
(きっと古民具や炭化した部屋のような、いかにもなものを祓うに違いない)
そう思っていたのだが、拝み屋はそれらをスルーして、台所で足を止めた。
「床下に潰してない井戸があるでしょう?流れの無い古い水を放置するのは良くない」
祖母と母が驚いて床下を確認すると、そこには黒い水を湛えた縦穴のような井戸があった。
そして踵を返した拝み屋は、縁側の天井の一角を見据えて「ここが1番良くない」と言い、
念仏のようなものを唱えて塩を盛ると、特に何の説明をすることもなく帰って行った。
祖母と母は拝み屋を見送った後、
「さっきは驚いたけど、昔は台所に井戸場は付き物だったしねぇ」
「リフォームした様子も無い古い家だから、潰してないと踏んだのかもねぇ」
と半信半疑の様子で笑い合っていたが、私だけは恐ろしいものを見た様な気分だった。
その後、曾祖母の肝硬変は小康状態が続き、90歳をゆうに超える歳で大往生した。
祖母の悪性腫瘍も、どういうわけか肝臓の「決まった場所」にしか出現しなくなる。
その場所さえ定期検査したら超早期発見と非常に治療が容易で、医者も不思議がる始末。
80歳を超えて腎不全で亡くなるまで、はつらつとしていた。
未だに、一連の出来事はただの偶然だったのか否か、思い悩むことがある。
(きっと古民具や炭化した部屋のような、いかにもなものを祓うに違いない)
そう思っていたのだが、拝み屋はそれらをスルーして、台所で足を止めた。
「床下に潰してない井戸があるでしょう?流れの無い古い水を放置するのは良くない」
祖母と母が驚いて床下を確認すると、そこには黒い水を湛えた縦穴のような井戸があった。
そして踵を返した拝み屋は、縁側の天井の一角を見据えて「ここが1番良くない」と言い、
念仏のようなものを唱えて塩を盛ると、特に何の説明をすることもなく帰って行った。
祖母と母は拝み屋を見送った後、
「さっきは驚いたけど、昔は台所に井戸場は付き物だったしねぇ」
「リフォームした様子も無い古い家だから、潰してないと踏んだのかもねぇ」
と半信半疑の様子で笑い合っていたが、私だけは恐ろしいものを見た様な気分だった。
その後、曾祖母の肝硬変は小康状態が続き、90歳をゆうに超える歳で大往生した。
祖母の悪性腫瘍も、どういうわけか肝臓の「決まった場所」にしか出現しなくなる。
その場所さえ定期検査したら超早期発見と非常に治療が容易で、医者も不思議がる始末。
80歳を超えて腎不全で亡くなるまで、はつらつとしていた。
未だに、一連の出来事はただの偶然だったのか否か、思い悩むことがある。
引用元: ・ほんのりと怖い話スレ その100
Shikutoku - 女性向け匿名掲示板
みんなの反応
1: 名無しのコメ民
やっぱり四国は危ないんだなぁ
2: 名無しのコメ民
リアル坂東眞砂子先生の世界だ


